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「地域のお祭り」今後のあり方を考える

福井県若狭町海山は、20世帯ほどの小さな集落です。この集落も日本全国の大半の地方と同様「少子高齢化」「過疎地域」問題を抱えています。毎年人口は減り、空き家が増え続けている状況です。

人口が減れば、「今までは普通にできていた神事や奉仕作業などができなくなるのはもちろんのこと、維持しようと頑張れば、住民それぞれが背負う役割や任務も自ずと増え、苦痛を感じる人も多くなってきています。「こんなことなら、この集落を出よう」といった思いから若者がますます域外に出てしまう。そして独居老人が増えてしまう。という悪循環に陥っています。

日本全国にある地方の小さな集落の多くが抱えている問題だとは思いますが、実際になかなか解決策がなく、ズルズルと時間だけが経過してしまっているように、この地域でも同じことが起こっています。

そうした現状の中、今、リアルに話し合われていることとして「今後、集落のお祭りをどうするべきなのか?」といったことが議題に上ってきています。

これまでは何とかやってきたものの、今後の5年10年先を考えるとこのままでは限界がある。ご先祖様から引き継がれてきたお祭りを、さぁ、どうするのか?先日、当集落でも住民に対して「お祭りのあり方」に対するアンケートが行われました。それは「出来ないのだから、止めればいい」との声が大きくなってきたことを受けての取り組みでした。

そこで私はそのアンケートに下記のように記入しました。

【神事について】
・本来のお祭りの目的(私の見解)
1.疫病・災害等の、自然災害が起こらないように神に願った催事
2.年に一度、ハメを外して集落住民のみんなと贅沢をする場
3.普段は顔を合わすことのない者が集い、お互いの状況を確認する場
4.先祖からの繋がりに感謝し、「今の自分の存在」を改めて考える場
5.その他

まだまだ目的はあったのだと思いますが、基本、上記のような事が、今後は違った形でクリアされていれば問題はないのかもしれません。

1.について
「災害時に区民はどのように行動するべきなのか?」を定期的に勉強する体制が整い、災害時に右往左往しない住民が出来上がればよいのかと思います。
2.3.について
独居老人のお宅も出来てきている中、定期的にみんなの情報が共有できる仕組みを作れればよいのではないかと思います。
4.について
海山の昔からの生い立ちを学ぶ時間が作れれば良いのかと思います。
5.について
他にも意見を出し合い、住みやすい・温かい集落になるように進められるといいですね

単純に「止めます」「変更します」ではなく、上記のことを念頭に置いた新たな仕組みが構築できれば良いのではないかと感じています。
※ただ、上記のことを構築しようとすると、今の「神事」を行うよりも『時間』『気遣い』が必要とになります。。
この部分をどう理解し、進めるか?ですね。

正直、正しい答えなんて見つけることができませんでした。それでも「難しい問題やな」といって放置するわけにもいかない。その中での苦しい内容になってしまったようにも思います。

もちろん、まだまだ他にも良い解決策があるのかもしれません。さて、皆さんはどのように思われますか?

(代表理事 田辺一彦)

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