先日、「水月湖掘削・研究記念式典」が、福井県の錚々たる来賓の方々をお招きして行われました。
いよいよ、11年ぶりであり「最後の掘削」と呼ばれている事業がスタートします。


式典の最後には、「どの様な考えのもとで、どの様な技術を駆使し、どの様な結果を求めていくのか」、リーダーの中川教授からお話をいただきました。感心させられることの連続で「へ~、へ~、へ~、へ~」と言っている私がいました。
その中でも印象的だった話は、関係者の皆さんの熱意の話でした。
2006年、「年縞」という言葉も価値も世界中で知られていない時代。研究を開始するに当たって最終的に予算をつけてくれたのが、リーダー中川教授が在籍していた「英国:ニューカッスル大学」だったそうです。その頃はお金も知名度もなく、大変苦労されたとお話されていました。
まだまだ確立した成果を出せていなかった「水月湖の年縞」の価値を認めた英国の大学でしたが、予算を出すことで日英関係が悪くなる恐れがあるのでは…と日本に対して遠慮をしていたそうです。しかし、その壁を乗り越え、ニューカッスル大学の予算で2006年に「年縞掘削」がスタート。逆に言うと、日本国内ではまだまだ予算をつけるような価値があるとは認めてもらえていなかったということです。

それから19年、しっかりと調査が行われ、結果が出て、世界で認められ、三方五湖沿いに博物館が建設されるまでになり、この度「年縞掘削2025」がスタートします。
この様な結果を受け、今回の年縞掘削研究費は、希望額には届かなかったものの、国の機関が準備してくださることになったようです。
今回の研究では気候に関する調査が主になるようですが、「なんとなく温暖化に進んでいる」というような何十年刻みの研究ではなく、「1年刻みで地球では何が起こっていたのか?」を調査されるようです。まさに、現在社会が抱える「異常気象」についての研究になるわけです。とても興味深く、ぜひともいろいろなことを発見していただきたいと願っています。
関係者の皆さんの19年間の熱意がこの様な結果に結びついたことは本当に素晴らしいことです。「年縞」それ事態も素晴らしいですが、「関係者の皆さんの熱意によって結果が出る」といった、人間模様も私には魅力的に映りました。
「仲間とともに思いを共有し、結果を出すことが、最終的に世のためになる」。最高じゃないですか!
「そんな世界をまだまだ見てみたい」
「なんとも言えないロマンを感じたい」
そのように感じる記念式典でした。
さぁ!私たちも楽しみましょう!!
(代表理事 田辺一彦)