84歳になる父が「フナの刺身が食いたいの~、お前もコイ、食いて~やろ!?」と、何だか優しさなのか?押しつけなのか?分からないことを言い残し、目の前に広がる水月湖へ一人で出かけていきました。

地元では、「フナ・コイ」は神事には欠かせない食材として存在し、幼いころから慣れ親しんでいてみんな大好き。また、他の地域の「フナ・コイ」を食したことのある方々に食べていただくと「ここのが一番おいしい!!」と絶賛されます。地元の海の漁師さんも、この時期になると好んで食べるほどの食材なんです。
前日に『刺し網漁』の網を湖底に仕掛け、翌朝回収に行くのですが……「おえ!みんな、見てくれこれを!!」と父が漁から帰って来ました。漁に出かけていた船を見に行くと、化け物のようなコイが!重量はなんと24キロ!!

そして、「24キロのコイ」にも驚きましたが、なにより「24キロの魚を湖底から船にあげる父(じいさん)」にさらに驚かされました。24キロ(米俵半俵ほど)の動く物体を50センチほど揚げる、それも、自分の足元よりも下から…考えられない84才です。
母は心配で、「船も傾くし、一人やし、何かあったらどうするの!!??」と呆れ顔。
それに対して、「あ~や、こ~や言うな!面白かったわ!やめられん~!!これで最後かもな~、こんなに大きいのは!」と父。
今までに何回も同じ言葉で繰り返されてきた二人の掛け合い。そして「これで最後かもな~」の言葉は何だったのよ、と思うほど何度も何度も記録は更新され続けています。
「この土地に生きる楽しさ」を存分味わう姿に、羨ましさを強く感じる私でした。やっぱり、父に弟子入りやな!
(代表理事 田辺一彦)
