朝晩の冷え込みが厳しくなり、冬の気配を感じるようになりました。山もどんどん色を変え、枯れ葉が風に舞っています。そろそろ本格的な冬支度をはじめなければと車のタイヤを履き替えたり、スコップを用意したりと頑張っております。
さて、昔からこの地域でよく耳にする言い伝えに「雪景色 山に3回積もると里にも積もる」という言葉があります(毎年、父が言うのですが…)。この言葉を耳にすると、「ついに寒い冬が来るんだな」と感じてブルっと身体が震えます。いや、正直なところ「里に降った時の雪かきが思いやられるなあ…」と、少し憂鬱な気持ちになるのです。
私たちのように慣れた者でも大量の雪かきはやはり体に堪えます。地域の皆さんの安全のため、そして道路の確保のために頑張りますが、想像するだけで肩が凝ったような気になります。
最近、この言い伝えが単なる迷信ではないと知りました。
昔の人々が天気予報のない時代に、山の積雪状況を注意深く観察して、里に雪が降る時期を予測するために使っていた、まさに生活の知恵だったということ。父が言っていたことは間違いではなかったんですね。
興味が湧いたので少し調べてみると、これには気象学的な根拠もあるようです。
日本海側に雪を降らせるパターンには、主に「山雪型」と「里雪型」の二種類があり、「山雪型」は、大陸からの冷たい季節風が日本海上で水分を蓄え、山にぶつかって上昇気流を生み出し、山沿いに雪を降らせるパターン。そして、この山雪型の天候が何度か繰り返されて山に雪が積もることで、やがて上空に強い寒気がさらに南下してくる兆候となるのだとか。この強い寒気が来ると、山にぶつかることなく、海岸沿いや平野部にも広範囲に雪を降らせる「里雪型」へと移行するようです。
つまり、山に繰り返し雪が積もることは、本格的な冬の到来と、里にも雪が降るような広範囲にわたる寒気の南下を教えてくれているんですね。山形県や湖北地域、鳥取県など、他の雪国にも似たような言い伝えがあることからも、先人たちの観察力と経験の深さには本当にビックリさせられます。「生き抜く力」が現代人とは違う!!
こうした冬の厳しさもまた、三方五湖の風景に独特の美しさです。雪化粧した湖畔や山々は、息をのむほど美しい!雪かきは大変ですが、その先にある冬の絶景を想像すると、また頑張ろうと思えます。
これからも私たちは、地域の皆さんと協力しながら、この美しい自然環境を守り、訪れる方々にも三方五湖の四季折々の魅力を伝えていきたいと考えております。厳しい冬を乗り越え、また暖かな春を迎える喜びを分かち合えるよう、活動を続けてまいります。よろしくお願いいたします。
(代表理事 田辺一彦)